NEWSPAPER  - 思い出の「音」復活



2015年7月17日以降、全国の地方新聞各紙に「千葉音声研究所」が紹介されました。




大切な思い出を保存する手伝いがしたい


青春時代の流行歌、今は亡き幼子の弾くピアノ…。 古いカセットテープなどに録音された楽曲や声をよみがえらせる取り組みを、千葉市の音楽制作会社社長 村岡睦稔さん(34)が続けている。 5月には市内に「千葉音声研究所」を設立。「失われかねない大切な思い出を保存する手伝いがしたい」と意気込んでいる。

亡き子の演奏や流行歌、切れたテープもCD化

「戦争を知らない子供たち」といった当時流行のフォークソングを交代で歌い、知り合った女性グループに照れながら自己紹介-。 1971年夏、神奈川県の丹沢山系の山小屋で友人らと明かした夜が「昨日の出来事のように思い出される」と千葉市の会社員岩渕昭さん(62)は喜んだ。

岩渕さんは今年1月、古いカセットテープの修復を依頼。村岡さんは切れたテープをつなぎ合わせ、約20分の録音内容をデジタルデータに変換した。 テープの劣化で生じた音飛びや音程の変化を、モニターに映る心電図のような波形を見ながら4時間かけて修正。CDに録音して引き渡した。

これまでに来た相談は200件以上

村岡さんはテレビCMの楽曲などを手がけてきた。 2年前、インターネットの会員制交流サイトに「収録時に雑音が混じった音源を補正したことがある」との経験を書き込むと 「大事な記録が聞きづらくて困っている」といった反響があり、人助けになればと依頼を受けることにした。

これまでに来た相談は200件を超す。幼い子どもを亡くした両親は、再生不能のMDから取り出したピアノのたどたどしい演奏に「これを聞きたかった」と涙ぐんだ。 弁護士から、子どもの虐待事件に関する録音データが持ち込まれた時は、胸を裂かれる思いで何度も聴き直し「パパやめて」という悲鳴が収められているのに気付いた。

千葉の修復専門研究所

預かったデータは流出防止のためインターネットから独立したサーバーで保管し、一定期間がたてば削除する。作業場所も非公開だ。

さまざまな依頼に応えるため今年5月、専門スタッフを集め、音声データの修復を主な事業とする研究所を会社とは別に設立した。 「社会貢献がしたいので採算は度外視」。5分のデータで2千円と手頃な料金に設定し、新しい音声処理ソフトの開発も進めている。

「東日本大震災の被災者に思い出の記録が取り戻せる可能性があると知ってほしい」と呼び掛けている。



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